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今週の相場展望

by 広木 隆

昨日、上野の国立科学博物館に「海のハンター展」を見に出かけた。会期が今度の日曜日で終りということもあってか、雨にもかかわらず大勢の来場者で賑わっていた。7月30日付けのブログで述べた「ルノワール展」の空き具合とは対照的だった。やはり芸術展より科学展のほうが幅広い層に受け入れらるということか。来場者の層も子連れのファミリー、カップル、若者のグループ、こどもたちからシニアまで多様であった。

科学博物館の常設展示も見どころがたくさんあって飽きない。こちらも「海のハンター展」ほどではないが多くのひとが訪れていた。科学館が賑わうのはいいことだ。未来に明るい希望が持てる。こどものころに科学館を訪れ、科学に興味をもったひとが将来、研究者として大成し社会にイノベーションをもたらす原動力となるかもしれない。

日銀金融政策決定会合、米国FOMCという2大イベントを通過したあとの相場は、やや気迷い気味に映る。日銀の「イールドカーブ・コントロール」政策は、日本版ペギング・オペレーションという初の試みだけに市場はまだ消化不良なのだろう。「量から金利へ」という新聞等の見出しはいいとしても、これを緩和縮小、テーパリングの始まりと見る向きも一部にあるが、完全な間違いである。長期金利をゼロ%近傍に「ペギング(釘付け)」するというのは、金融緩和の長期化を意味する。「オーバーシュート型コミットメント」も同じ意味である。ちょっとやそっと物価があがっても金融緩和はやめませんよ、ということであり、日銀発表の通り「金融緩和の強化」に他ならない。未来永劫、金利がプラスにならないというのは、それはそれで大変なことである。別の機会に詳しく述べたい。

こうした状況に鑑みて、前回のブログで述べたように「間違っているのは為替だけ」であり、株式市場は堅調だ。日銀は緩和強化、FRBは利上げ見送り、日米の「ハト派」的な政策を好感して素直にリスクオンに傾いている。実際、秋分の日の祝日明けの東京市場で、これだけの円高を受けても日経平均は底堅かった。修正されるべきはドル円相場であり、円高一服を材料に今週の日本株は堅調に推移するだろう。日米の金融政策会合という2大イベントを通過したことは不透明材料がひとつ減ったということであり、日本株相場は徐々に底堅さを示してくるだろう。今週末が9月中間期に当たるため期末要因も相場の支えになるかもしれない。

堅調シナリオが崩れるとすれば、米国株の動揺だろう。米大統領選第1回テレビ討論会がある(26日)。これを受けて米国市場が波乱の展開となるとリスク回避の円高となってドル円が100円割れまで突っ込む可能性がある。もうひとつの注目は、アルジェリアの首都アルジェで開催される国際エネルギー・フォーラム(IEF)。これに合わせてOPECの非公式会合も予定されている。原油相場の急変動にも注意が怠れない。

日本も政治の季節に入る。26日に臨時国会が召集され、政策期待が高まるだろう。政府・与党は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案・関連法案の成立を最優先とする方針だが、トランプ・クリントン両者とも保護貿易・TPPに反対姿勢を示す中、どこまで本腰を入れたものになるか不明。それよりは「統合型リゾート(IR)整備推進法案」(カジノ法案)期待で関連銘柄が賑わう可能性もある。

経済指標で重要なものとしては米4-6月期GDPの確報値が出てくる。前回4%を超える伸びを見せた個人消費は下方修正されるが他の需要項目の落ち込みも上方修正され全体としては小幅に改善する見通しだ。そのほかでは米8月個人所得・個人支出、米9月シカゴ購買部協会景気指数が注目される。

国内では27日の40年国債の入札が要注意。日銀の「イールドカーブ・コントロール」政策発表後の超長期債入札だけに波乱もあり得よう。入札が不調となれば金利上昇で生保株などが物色される可能性がある。

さて、冒頭の科学技術に話を戻そう。IoTだとかAIだとか騒がれても実感はいまひとつ。それよりぐっと身近なのは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)だろう。ポケモンGOのヒットで一躍ポピュラーになった技術だ。今年は「VR・AR元年」として日経ヴェリタスも取り上げた。


来月半ばに発売されるソニーの「プレイステーションVR」の予約が昨日再開された。ところが通販サイトでは、午前9時ごろの予約開始後、わずか数分で受付終了に。公式のソニーストアは、アクセスが集中して購入手続きが行えない状態になったという。すさまじい人気だ。重要イベント通過で手詰まり感のある相場で、VR関連は物色材料になるかもしれない。ソニーを筆頭に、バンナム、スクエニなどゲーム関連もチェックしておこう。



広木 隆
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