Dance with Market

今週の相場展望

by 広木 隆

米国大統領選の結果を受けた9日から11日までの3日間、東京株式市場は激しい値動きとなった。東証1部の売買代金は9日に4兆円近くに膨れ上がったあとも、3兆4千億円、3兆6千億円と高水準を維持した。ヘッジポジションの解消や損切りに加えて、これまで取引を見送っていた主体も一気に動いた結果だろう。トランプ氏の財政出動の思惑から米国長期金利が急騰、金利差拡大を反映して円安ドル高が進んだことが日本株の追い風になった。

先週金曜日のNYダウ平均は5日続伸し、過去最高値を連日で更新した。週間の上げ幅は959ドルに達し、過去最大となった。さすがに少しやり過ぎだろう。ユーフォリア的な相場つきに映る。今後は、トランプ氏の政策の見極めが相場の焦点であることは間違いないが、当分の間、様々な思惑が交錯することになる。

彼が大統領の座を手中にした今、より穏当で現実路線に軌道修正を図っていくのは不思議なことではない。しかし、その可能性を市場が意識した場合、トランプ氏の財政出動を織り込んで上昇した米国長期金利も頭打ちとなって反落するだろう。それだけではない。金融規制の強化見送り期待で買われた金融株や、インフラ投資期待で買われた建設機械や素材など「トランプ政策関連」株にも揺り戻しがくる。「トランプ・ラリー」も今週は一服するだろう。反動に備えたい。

それでも相場の地合いは大きく改善している。押し目は限定的だろう。メインシナリオは大きく動いた先週の反動で小幅に調整と考えるが、調整が短期で終了し再び上値を追うというサブシナリオの確度も低くない。先週末の日経平均はザラバ高値が17621円まであった。これは4月25日のザラバ高値17613円を抜いている。取引時間中の動きを加えたローソク足では2月と6月の15000円割れを大底とするW(ダブル)ボトムのネックラインを切ってきている。これを終値で達成するには17572円を超える必要がある。そうなればWボトムの完成で中長期的な底入れ確認となる。その次のターゲットは2月1日に付けた1万7905円。それは昨年6月高値~今年6月安値の下落幅に対する半値戻し(17910円)の水準でもある。

ドル円相場もテクニカル的な節目を抜けるか注目だ。現在200日移動平均線に絡む動きとなっている。2月には一度200日線にタッチしてそこで跳ね返されたが、2月と、短期の移動平均も上昇に転じている今とではトレンドが明らかに違う。今回は上抜けしそうだ。ここを抜ければ107円50銭が意識される。ドル円もヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(逆三尊)を形成しつつあり、底入れ完了のサイン点灯が間近である。

相場が動かないのも困るが、しかし、こんなにボラティリティが激しいのも疲れる。ちょっと、焼き鳥でも七輪で焼いて食べてリラックスさせてもらう。この先も不透明性の高まりからボラティリティが高い状態が続くと思われるからである。

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