LOG IN

ニューヨーク、19000

by 広木 隆

11月として1962年以来54年ぶりとなる初雪を都心で観測した昨日、ニューヨークから帰国した。サンフランシスコからニューヨークに移動した20日の夜、ニューヨークでも初雪が舞った。寒さは月曜、火曜も続いた。サンクスギビングを控えたニューヨークの景色はホリデーシーズンの到来を告げていた。公立図書館裏のブライアント・パークではスケートリンクが張られ、その周りにはクリスマスツリーに飾るオーナメントを売る出店が立ち並んでいた。

11月下旬で季節は早くも冬になった。この時期に、これほどの寒さをもたらしているのは、株式相場に「熱」を奪い取られたからではないか。ニューヨーク滞在最後の日に、ダウ平均は史上初の19,000ドルに達した。WSJは、新たなマイルストーンを通過したと1面トップで報じた。

リーマン危機後、2013年5月に15,000ドルの大台を越えてからは、台替わりのスピードは速かった。そこから次の16,000ドル越えまで要した日数は139日 (13年/11月)。 17,000ドル台までが153日 (14年/7月)、 18,000ドル越えまでが120日 (14年/12月)といずれも半年前後で大台を更新してきた。しかし、今回 19,000ドルの大台更新まで 483日を要した。18,000ドル越えからちょうど1年11カ月かかった。約2年ぶりの大台更新である。それだけ苦労しての台替わりだ。その意味は決して小さくない。ニューヨーク株式市場は過熱感よりも昂揚感につつまれているように思う。

今日、日経平均は今年の大発会、1月4日に付けた年初来高値(1万8450円)を一時、上回った。配当落ちも考慮すれば、今年株を買ってこれまで保有している投資家は、「平均」としては損していないということだ。

しかし、そんなことを言えば、ダウ平均については、過去これまで買った誰もが儲かっているということである。加えて、来年はトランプ政権による減税も実施される見通し。その状況で感謝祭だ、クリスマスだとホリデーシーズンに突入である。投資家のセンチメントが明るくなるのも無理はなかろう。「景気は気から」というが、相場も同じである。いくらAIやアルゴリズムが進化した現在のマーケットでも、結局、機械が「投資家心理」を読みにいくのだから。

あまり浮かれていると揺り戻しで痛い目に合うかもしれない。もちろん、利益確定売りは大切だが、この相場、結構息の長い相場になる気がする。早降りは慎みたい。全部降りるのはもっての他。利確後は再エントリーを繰り返して、しばらくついていく相場だろう。少なくとも、トランプ政権「最初の100日」が過ぎるまでは。

LINE it!

広木 隆
OTHER SNAPS