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銀行の運用

by 広木 隆

連日の日経ネタで恐縮だが、1面に連載されている「日本国債」という特集。毎回、「So what?」というカンジだが、3回目の今日のは特にひどかった。何がいいたいのかさっぱりわからないが、どうやら国債も昔みたいな安全資産でなくなったので早く手放せということか。記事はこう述べる。

「リスクに敏感なメガバンクはまだよい。金融庁は地銀など地域金融機関の出遅れを心配する」。

その国債の記事の右隣(紙の新聞の話。電子版では2つ上)に某大手地銀系の投資信託の運用会社に、東京圏の地銀グループが出資するという記事が出ていた。

「多くの地銀は資産運用ビジネスを新たな収益の柱として強化しようとしている。自前ではノウハウや人材が不足しているため、地域やグループを超え分野ごとに連携する動きが相次いでいる」

と日経の記事はさらっと書いているが、そこに問題の本質がある。

マイナス金利で国債を買っているだけでは収益が出ない。だから、「多くの地銀は資産運用ビジネスを新たな収益の柱として強化しようとしている」わけだが、「自前ではノウハウや人材が不足している」という。有体に言えば、「ノウハウや人材が不足している」のではなく、「ノウハウを持った人材が不足している」わけだから、「地域やグループを超え分野ごとに連携する」ことでは補えない。ゼロをいくつ足してもゼロのまま。初歩的な算数である。

「できない」ひとたちが、「連携」すればできるようになるというのは幻想でしかない。

そもそも資産運用ビジネスは、誰にとってもそう簡単にできるものではない。だから、その地銀の運用会社も、名前はアセットマネジメントだが自前の運用はできず、提供する商品はラップファンド、つまり「アッセンブラー(組み立て屋)」である。そこにどれだけの付加価値があるのだろう。

アンダーライングの(組み込まれる)ファンドのコストに加えて、ファンド・オブ・ファンズ(ラップ)の組成コスト。関係者が増えれば増えるだけ、常識的に考えれば、「分け前」を増やさなければならないから商品のコストは高くつくだろう。

営利企業として銀行は、マイナス金利で儲からなくなった国債を手放して新たな収益を探すのは当然のことだ。だが、それで割高な運用商品を買わされるとすれば、銀行の顧客が気の毒である。

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広木 隆
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