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顔(ツラ)

by 広木 隆

<週初はまだ夏休み中の投資家も多く薄商いとなるだろう。しかし、「閑散に売りなし」の格言通り、深押しはなさそうだ>と、今週の相場展望で述べた通りの展開になった。今日の東証1部の売買代金は1兆5700億円と、5月30日以来2カ月半ぶりの低水準。売買高は12億4377万株と今年最低を記録し、2014年4月18日以来およそ2年4カ月ぶりの低水準だった。売買代金が売買高ほど落ち込まないのは日銀のETF買いに絡む値嵩株物色の影響だろう。

日経平均の下げ幅は50円にとどまった。しかし、指数の下げ幅以上に相場の中身は悪化している。例えば7%高と急伸したソフトバンク。前週末の米国市場で出資する中国電子商取引最大手のアリババ集団株が7%超上昇したことなどが材料視され東証トップの売買代金を集めて買われたが、正直なところ、いまさらアリババに連れ高というのもおかしな話だ。なにしろ、ソフトバンクはアリババ株を一部売却に動いているのだから。

そのソフトバンクを超える9%高と急騰したのが光通信。昼休みに発表した決算を好感して午後は買い気配で始まった。その他、大幅高した銘柄を見ると、LINE(約5%高)、東芝(約6%高)、シャープ(約10%)など。

いや、別に、銘柄の「顔(ツラ)」がどうこういうつもりはない。光通信は今やJPX日経400に採用されるれっきとした優良企業だ。無論、LINEも成長企業として高く期待されているし、東芝、シャープも(かつての)名門企業だ。ただ、他意はないが、事実として東芝は特設注意市場銘柄に指定されているし、シャープは2部転落である。機関投資家が積極的に手掛けるような銘柄ではない。

極めつけはエナリスのストップ高だろう。10日の引け後、KDDIと資本業務提携を結んだと発表したことがきっかけで3日連続のストップ高となった。エナリスは不適切会計で信用を失い、特設注意市場銘柄に指定されている。

こういう銘柄群が値を飛ばすと、相場も目先の終盤に近付いていると思われる。


広木 隆
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