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京都の夏、フィボナッチの石

by 広木 隆

週末に京都に行った。祇園の割烹でかなり飲んだ。このところ忙しくて疲れがたまっていたが、すごくリラックスした時間を過ごせた。酔い覚ましに、満月の下を八坂神社まで歩いた。昼間のうだるような暑さは幾分やわらいで、柳を揺らす風が心地よく感じられた。

昼は暑いのと時間がないのとで行動範囲が限られるなか、龍安寺を訪れた。龍安寺の石庭には、左(東)から右(西)へ、5 - 2 - 3 - 2 - 3 と大小計15個の石が配置されている。

この「5 - 2 - 3 - 2 - 3」の配列には「4」がないという点で、フィボナッチ数列に通じるという説がある。フィボナッチ数列の詳しい説明は省くが、この名前の由来であるイタリアの数学者フィボナッチは、木の枝に葉が生えていく過程や、カタツムリの殻の渦の広がり方など自然界の成長パターンが1.618という黄金比に従っていることを発見した。フィボナッチ数列の隣接する数の比を計算し続けると最終的に黄金比に近づいていく。

相場の分析にもフィボナッチがよく使われる。重要な比率は、23.6%、38.2%、50%、61.8%、76.4%である。1.618の逆数が61.8%であり、フィボナッチ数列の1つおきに比率を出し最終的に近づく2.618の逆数が38.2%であり、フィボナッチ数列の2つおきに比率を出し最終的に近づく4.236の逆数が23.6%である。これをフィボナッチ・リトレースメントという。

現在の日経平均は昨年12月につけた高値、約 2万円から、BREXITで1万5000円割れとなった6月の安値までの下げ幅に対して、ちょうど23.6%戻しと38.2%戻しの水準の間でもみ合う展開となっている。23.6%ラインの1万6000円台は日銀のETF買いの思惑もあって堅いだろう。38.2%戻しの1万6830円をクリアできるかが目先のターゲットとして意識されているようだ。

フィボナッチ級数の考え方は、エリオット波動にも通じるところがあって、テクニカル分析をするひとには信奉者が多い。龍安寺の石庭に話を戻すと、石の数は、2-3-5 のコンビネーションで、まさにエリオット波動である。エリオット波動は、大きな波動は上昇5波、下降3波から成り、上昇波動のもとには細かなW波動(すなわち3波)があり、下降波動ではN波(すなわち2波)がある。

日経平均は昨年12月の2万円から1万5000円割れまで約「5」千円下げた。その後、1万7000円まで「2」千円リバウンドしたが維持できない。中間反騰の高値は1万7000円台後半まで行った。「3」千円戻しへ後もう少しだった。そして再度「2」千円戻した1万7000円台をつけるも維持できず、BREXITで安値をつけた。

今日はあれこれ、いろいろ書いたけれど、もっとシンプルでいいのかもしれない。石庭=枯山水とはシンプルの極致である。何も考えずに - 空(くう)で - 庭を見る。石が、「5 - 2 - 3 - 2 - 3」と並んでいる。空(くう)で相場を見れば、日経平均のリズムも「5 - 2 - 3 - 2 - 3」ではないか。そう考えると、今は「石庭リズム」の第5波=「3」に当たる時。年末までの数カ月のスパンでは、1万5000円割れからの「3」(3000円)戻しで、1万8000円手前を目指す展開か。

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