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新しいステージの始まり

by 広木 隆

昨日は誕生日だった。53歳になった。朝、携帯にメッセージが入っていた。早速、誰かがお祝いの言葉をくれたのだろうと思って見ると、「スパムされてますよ。」

ブランド物の購買を誘う広告にFBで勝手にタグ付けされていた。朝から不愉快な気分で始まった54年目の人生のスタートであった。

その後は特段、何もない一日だった。雇用統計を控えた週末とあっては相場も動かない。日経平均は1円安。それでも8月12日につけた直近のザラ場高値を一時上回ったから、相場の方向としては上に行きたがっている気配を感じた。

さて、9月早々の大イベント、米国の雇用統計だが、非農業部門の雇用者数は前月比15万1千人増。増加幅は7月の改定値(27万5千人)を下回り、18万人程度を見込んだ市場の予想も割り込んだ。結果についてはすでに報道されている通りなので詳しく書かないが、ポイントは市場の反応だ。

発表直後に市場が示した反応は、「弱い数字で9月の利上げが遠のく」という思惑を反映したものだった。すなわち、株式先物は買われ、長期金利は急低下。外為市場ではドルが売られ1ドル102円台後半まで円高に振れた。

問題はその後だ。長期金利は上昇に転じ、為替も急速にドル高円安に切り返すと104円30銭をつける場面があった。7月末の日銀政策会合の失望で円高に動いて以来の円安水準だ。ダウ平均は寄り付き直後に125ドル高まであったがその後は伸び悩んだ。米国市場の反応を見れば、「利上げ近し」と読む向きが優勢ということだろう。

利上げは9月か12月か。前者なら早期利上げ、後者なら年内利上げと表現されるようだが、今は9月で、12月半ばのFOMCまでは残り3カ月余り。つまり、利上げが9月でも12月でも、それは残り3カ月余りの短期の話。どう転んでもここまで来たら「早期利上げの可能性大」という状況に変わりない。その割に、前回も書いた通り、ドル円相場は利上げの織り込み方が全然足りない。前回示したチャートを再掲しておく。

7月の戻り局面ですら107円台半ばまであった。今回、利上げを織り込みに行くなら戻り余地はまだまだあるだろう。こうした環境を受けて日経平均先物は1万7000円の大台に乗せてきた。5月以来3カ月ぶりの1万7000円台乗せだが、それより注目したいのは200日移動平均も同時にクリアしてきたということである。

25日移動平均が75日移動平均を上回るゴールデンクロスが示現したのが前回ザラ場高値の8月12日。その後、いったん押したが75日線できれいにサポートされ切り返し、今度は一気に上値を抜いてきた。いいリズムである。

週明けの東京市場で日経平均が200日移動平均を上回れば昨年12月以来。昨年のチャイナショック以来、1年余りに及んだ日本株・ドル円相場の調整も終了が見えてきた。ここからは新しいステージの始まりである。

つまらない出来事で幕を開けた僕の54年目の人生だが、誕生日の終わりに、悪くないプレゼントをもらった気がした。



広木 隆
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