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株式の長期的リターンの源泉

by 広木 隆

どうやら「平成」の世もあと2年で終わるようである。思い返せば平成元年というのは日経平均が3万8915円の史上最高値をつけた年。歴史的な大天井を打って、翌年から下落相場が始まった。ざっくり言えば、平成の30年は昭和末期(=80年代)バブルの清算・後始末の30年だったと言える。そんな話を今日出演したテレビ東京の経済ニュース番組でしてきた。

30年続いたトレンドが終わるといえば、金利もそうである。正確には、米国金利がピークアウトした80年代初頭を起点に35年にわたって続いてきた金利低下のトレンドが終焉を迎えている。著名投資家らがこぞって金利の反転上昇を口にしている。

平成は80年代バブルの後始末の時代だったと言ったが、そのバブルの遠因となったのが85年のプラザ合意だ。しかし、そもそもプラザ合意が実現できたのは80年代の初頭で米国金利がピークアウトしてたからである。70年代の高インフレが鎮静化し米国は金融緩和に転じたからこそドル安による貿易不均衡是正を国際協調で目指すことができたのである。それがプラザ合意の背景である。だから大元を辿れば、日本のバブルも米国金利のピークアウトが起点である。35年にわたった金利低下の時代が終わるとともに、バブル清算の平成の30年も終わりが見えたわけである。

「バブルとその崩壊」というのは簡単に言えば、バリュエーションの拡大と縮小だ。日本株の長期的なリターンの源泉を見ると、80年代に急拡大したバリュエーションが90年代以降の20年で調整されてきたのがわかる。1980年~2016年まで37年間の日本株のトータル・リターン(インカム&キャピタルゲイン)は年率約5%だった。そのうちのほとんどは、純資産の成長と配当(これらを「ファンダメンタル・リターン」という)であり、バリュエーションは長期のリターンにまったく寄与していない。バリュエーションは一時期大きく上昇しても、やがて低下局面を迎え、結局「行って来い」となる。バリュエーションは拡大と収縮を繰り返し、その寄与度の期待値は長期で見ればゼロである。

バリュエーションが拡大・収縮を繰り返すのに対して、資本の成長と配当(=ファンダメンタル・リターン)は10年という単位で見れば、常にプラス寄与をしている。ファンダメンタル・リターンがいかに大事であるかということだ。

そして見逃せないポイントは、2010年代以降はバリュエーションが安定するなかで配当の増加や資本の成長などによって高いリターンがもたらされてきたことである。平成の30年は「バブル清算の30年」と言ったが、実際は20年で調整を終え、2010年以降は健全な姿に変貌したと言える。少なくともあと2年、このまま「バブルなき堅調相場」で平成最後の10年を締めくくれることを願いたい。

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