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相場を予想するということ

by 広木 隆

昨日はテレビ東京モーニングサテライトで株価の見通しを話した。

(FOMCという)重要イベント通過で模様眺めとなりそうです。ただ、昨日発表された米国の経済指標は良好だったこともあり過度な不安は後退していますので、こじっかりといった動きではないでしょうか。

そのように述べて、予想レンジを19100~19300円と提示した。

上値の重い展開だったが、それでも前引けまでは僕が示したレンジの下限に収まった。ところが午後に入ると急速に進んだ円高に歩調を合わせて日経平均は大幅安となった。

円高進行を嫌気して日本株は下落 - 昨日の市況解説はほとんどがそうした説明だ。しかし、どうして円高になったのか?についてはあまり触れられていなかった。別に新たなトランプ発言が報じられたわけでもない。円高に振れた背景は円金利の上昇であった。財務省が正午締め切りで実施した10年物国債入札の結果が「不調」と受け止められた。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは大幅に上昇、一時0.115%と2016年1月29日以来の高水準を付けた。為替は長期金利の上昇に反応したのである。

一夜明けて今日の寄り付きは反発で始まり押し目買い意欲の強さを反映した。ところがその後は昨日の再現となった。日銀のオペを巡る不透明感から再び長期金利が急騰したのである。これを受けて円高⇒株安という展開になった。そこで日銀は伝家の宝刀を抜く。午後12時30分に5年超10年以下を対象とした指し値オペを通知。長期金利も0.100%まで急低下した。結果、為替も株価も乱高下する事態となった。

トランプ発言による円高なら大したことはない。ところが円金利上昇による円高は厄介だ。日本株相場にとって新たな攪乱材料が出てきた。この点については追ってまた書く。

相場の予想が外れると、ツイッターなどで悪態をつかれたり、揶揄されたりする。非常に不愉快だが仕方ない。予想をするというのは、そういうことだ。予想が外れて批判されるのが嫌なら、予想をするのをやめるか?予想しないなら、インデックスファンドでいい。ロボットアドバイザーでいい。AI(人工知能)でいいのだ。

それでも僕らは予想する。考えるということだ。考えなくなったら人間ではない。人間は考える葦である、とパスカルは言ったが、逆に言えば、考えるから人間である。AIは考えない。人間の知能を学習して考えるようで考えない。演算、計算をするだけである。

僕らは人間の頭で考えるから間違える。逆に言えば間違えるから人間である。間違いや失敗を恐れるべきではない。

朝、オフィスに行って一番初めにすることはBloombergを起動することだ。Bloombergを立ち上げると最初の画面に「今日の名言」が表示される。それを読むことが一日のスタートである。昨日相場の予想を外し、最悪な気分で朝を迎えた僕が、今日一番初めに目にした言葉はこれだった。

予想を外して散々叩かれるかもしれない - そんな不安を抱えながら、今日も明日もその次も、僕は「マーケット」という名のピッチに立ち続ける。


広木 隆
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