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絶対に確かなこと

by 広木 隆
栃木県那須町のスキー場で登山講習会に参加した県立大田原高校山岳部の生徒ら8人が死亡した雪崩事故で、現場責任者だった県高校体育連盟登山専門部委員長の猪瀬修一・同校教諭が29日、宇都宮市内で事故後初めて記者会見した。登山を中止し(雪上を歩く)ラッセル訓練を行うことは自身を含めた教諭3人で決めたと明かし、「絶対安全にできると判断した」と話した。
(3/30付 日本経済新聞 朝刊)

個人を責めるつもりはまったくない。「県高校体育連盟登山専門部委員長」という立場の、それこそ「専門性」を問いたい。

これまでブログやレポートなどで何回引用したことだろう。トレーダーからゴールドマン・サックスの会長、そして米国財務長官に上りつめたロバート・ルービンが、ペンシルバニア大学の卒業式の祝辞で述べた意思決定の4原則。「ルービンの4原則」として有名な1番目は、

唯一確かなことは、確実なものはないということ

絶対ということは絶対にない。これは相場の世界のみならず、われわれの仕事、生活、人生のすべてに言える普遍の事実だろう。それを意思決定の根幹に据えることができるかどうか。それが致命的なミスを避けることにつながる。

登山の専門家が、「絶対安全と判断した」という。その時点で、専門家失格である。

昨日のレポートで、年度末の最終日の日経平均は陰線になりやすいと指摘した。

年度末の最終営業日の日経平均について、始値⇒終値の変化を調べると、2000年以降、昨年までの17年で16回がマイナス、すなわち陰線となっていた。その16回の累計は1800円余りで平均すると117円幅になる。

これに次いで名実とも新年度入りする4月第1営業日も陰線になりやすい。同期間では10回陰線となっており、累計額は1650円余り、平均すれば165円幅の陰線である。
ストラテジーレポート「年度末の波乱に注意」

昨年2016年は3/30、3/31も大きな陰線を引いた後、4/1に555円幅の陰線を引いて前日比595円安という急落を演じた。昨年は3/29~4/6まで7日連続安。いったん下げ止まったものの、8日ザラ場で15500円を割り込み、この間の下げ幅は1500円を超えた。3月中にGPIFをはじめとする年金の買いが続き、その「特需」が年度替わりとともに剥落したことが影響していると見られている。

2015年は権利付き最終日からすでに崩れ始めた。3/26と3/27の2日間で460円下落。3/31と4/1で376円安。年度末の3/31は400円近い幅の陰線を出している。

年度替わりは波乱になりやすい。特に年度末最終日が17年間で16回陰線を出しているのは異常値とも言える。デリバティブなど利用できるひとは明日は売りから入るのもおもしろい。インバース型ETF(1571等)でもいいだろう。しかし、「絶対ということは絶対にない」のも事実。では、どうするか。ルービンの4原則は、「不確実であっても我々は意思決定し、行動しなければならない」とも述べている。

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広木 隆
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