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今週のマーケット展望

by 広木 隆

先週の日本株市場は日経平均が2万円を回復できずに終わる冴えない展開だったが、その後海外の先物市場で日経平均先物は反発した。シカゴの日経平均先物は2万20円で引け、7日の大阪取引所終値を70円上回った。NY時間の朝方発表された6月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回る伸びとなり、ドル円が一時、114円台をつけるなど相場の地合いが改善した。これを受けて週明けは反発して始まることが予想されるが、週を通じて再び2万円台を固めることができるかが焦点である。日経平均は下値支持線となっていた25日移動平均線を割り込んでしまったが、現在2万40円程度にある25日線を早期に回復することが鍵である。

上述の通り、米労働省が発表した6月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月から22万2000人増加した。市場の予想を上回る4か月ぶりの高い伸びを示した。4月、5月分もそれぞれ3万3000人、1万4000人ずつ上方修正され、3カ月の平均では19万4000人。20万人に近い数字を維持している。失業率は4.4%と16年ぶりの低さを記録した前月から0.1ポイント上昇したが、これは職探しをしようというひとたちが労働市場に戻ってきたためでむしろ明るい兆しととらえられている。いずれにせよ完全雇用に近い状態にある。

但し、賃金の伸びは依然として鈍い。平均時給は26.25ドルと前月比で0.2%と、5月の0.1%から加速したものの、予想の0.3%を下回った。前年比は2.5%で、同じく前月の2.4%から加速したものの予想には届かなかった。

こういう状況になるとますます今後の米国金利の動向が読みにくい。米国金利の今後を占ううえで重要なイベントのひとつが12-13日に予定されているイエレンFRB議長の半期議会証言である。イエレン議長の発言からバランスシート縮小の開始タイミングなどの示唆が得られるか市場の注目度は高い。12日にはベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されるが、より重要な指標は14日に発表される6月の消費者物価指数CPIであろう。5月は市場予想を下回り、2015年5月以来の低い伸びとなった。雇用統計でも賃金の伸びが鈍かっただけに、再びCPIが弱い数字となると足元の金利上昇も一服、当然ドル円も円高に巻き戻る可能性があり注意が必要だ。

今週からいよいよ米国の4-6月期決算発表が本格化してくる。14日はJPモルガン、シティグループ、ウェルズファーゴなど金融機関の決算発表がある。このところの金利上昇を受けて海外では金融株が買われているが、日本市場への波及は弱い。確かに日本で金利が上昇しなければ日本の金融株を買う理由は乏しい。それでも米国での金融機関の業績が良ければ、米国でオペレーションをおこなう本邦銀行にもポジティブな連想は働くかもしれない。

いずれにせよ米国時間14日の材料は今週の日本株相場に反映されない。よって14日のCPI、米銀決算などを見極めたいと週末は見送りムードが高まりやすい。週を通じて弱い地合いが続き、2万円を回復できない水準で推移すれば、週末にはオプションのSQ算出を控えて、1万9750円の行使価格を巡る攻防となる可能性もある。

今週の日経平均の予想レンジは1万9750円~2万0300円としたい。
(香港にて)

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広木 隆
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